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呪われしアバロン
2005-10-07 Fri 19:37
「こっちを見るんじゃない――わしは服を着とらんのだ!」
ピップは慌てて目を逸らしたが、パジャマの上に股引きとブーツ、よれよれのとんがり帽子をかぶった背の高い白髪の魔術師の姿はどうしても目に入ってしまった。
おずおずとあたりを見回すと、ここは部屋か……それとも、家だろうか。かなり広く、壁も天井も床もすべてカーブした板でできている。
「樽じゃよ。むかしギリシャに、樽に住んでいた哲人がいたじゃろ。それで今度はこれに棲んで見ようかと思いたってな。宮廷おかかえの樽屋に注文してちょっと大きめに造ったがな。この樽の家に、なにかわしを呪いから守ってくれる力があったらしい。ああ、そういえば、まだ呪いのことは知らなかったんだな?」
「ええ、知りません」


というわけで、六つ目の冒険の始まりだ。今回は久しぶりにまともなオープニングだな(ちゃんと俺もいるし、マーリンの爺さんも行方不明じゃない)。さて、外に干してあったローブを呪いで腐らせてしまったマーリンが装備品リストをお前に差し出してるぞ。この中から六つ持っていけるんだそうだ(それ以上は腐ってしまうんだとさ!)。

斧 ハンカチ のこぎり 蟻飼育機 小槌 トロンボーン 蜘蛛の巣スプレー
火打石 木杭 釣竿 強力石鹸 歯ブラシ ハンマー 軟膏(二瓶) 虫眼鏡

「選んだか?では、行こうか」
マーリンについて樽から出たとたん、何かがひどくおかしいことに気づいた。
樽はキャドベリー・ヒルの麓にあって、ここからグラストンバリー村までは大きくうねりながら麦畑が広がっている。ところが、見渡す限りの畑には何も植わっていないのだ。土は乾ききってひび割れ、草一本生えていない。
グラストンバリー村の上空には灰色の霧が重々しくたちこめ、1インチたりと村の外にはみ出していない。
さらに、キャドベリー・ヒルの頂にあるキャメロット城まで目を上げていくと、王の城砦が、そびえるカビの塊に化けてしまっている。
「これが呪いじゃよ」マーリンが悲しげに言った。
「でも誰がこんな呪いを?誰も止めないんですか?どうしたら……」


まあ落ち着け。事の顛末は魔法書に書かれているが、例によって長いから、俺が適当にかいつまんで説明してやろう。
エクスカリバーが戻ってからしばらくのあいだ、王国には平和と繁栄が甦り、何もかもがいいことずくめだった。だが、その状況は一変してしまった。ある朝、人々が目を覚ましてみると、美しき平和なアバロンは、疫病と腐敗がうずまく陰鬱な悪夢の世界になっていた(いま見ているとおりだ)。穀物は枯れ、家畜は倒れ、金属は錆び、布は腐り、いたるところカビに覆われてしまった。
村の代表者がキャメロット城に向かったが、アーサー王やその家臣に会うどころか、城内に入ることさえ不可能だった。次に代表者たちは魔術師マーリンの樽を訪れたが、「服を着ておらんのじゃ!」と言われて追い返された。
というわけで、この事態を解決すべく、いつものとおりお前が呼び出されたってわけだ。ご愁傷様。

「異変がおこってからまもなくして、グラストンバリー村の広場に雷石が落ちてな、その石に『復讐するは甘美なり――魔神より各位へ』と記してあった」
「魔神ってあの詩作狂いで有名な魔神ですか?あの魔神がそんなことをするなんて考えられないけどなあ……」
「キャメロット城の騎士の誰かが、奴の詩をめちゃくちゃに貶したのだろうとわしは思っとる」
「それじゃあ、魔神を見つけ出せばいいでしょう?」
「奴の住所不定さ加減はこのわし以上なのだぞ?それを探し出せるのは……ピップ、お前のほかに誰がいると言うのじゃ」
「わかりましたよ。でも何から始めたらいいんです?」
「それはお前の冒険法で決めよ。まずはグラストンバリー村へ行ってみることだ。キャメロット城でもいい。何か目ぼしいものが見つかるかもしれん……」


というわけだ。出発するとしようか、相棒!

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グラストンバリー村
2005-10-07 Fri 20:04
村に行くか、城に行くか、だが……所見を述べさせてもらうなら、おそらく城は本命だろ。まずは村で情報収集&宝探しってのが定石だと思うがね。

村にはかつての平穏な面影はなかった。ようやく村はずれに辿りつき、陰鬱な霧の中にいやいや足を踏み入れてみると……外から見て思ったほど霧は濃くなかった。見通しはきくが、肌にねばりつくような冷たい霧は、困難な冒険の行く末を暗示しているようだ。
しかし、困難だろうと何だろうと気を取り直して――
村の地図をじっくり見つめ、あちこち探ってみよ。


村の地図

考えてみれば、これまでの冒険で一度もグラストンバリー村が舞台にならなかったってことのほうがすごいな。普通なら真っ先に登場しそうなもんだが。ご覧のとおり、すっかり御馴染みのパターンだぞ。慎重に行く先を決めろ。

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アヒル池
2005-10-08 Sat 03:02
ここは村のアヒル池だ。三羽のアヒルがどういうわけか、あとずさりに泳いでいる。池の真ん中あたりに泡がたっているところを見ると、誰かが池に落っこちて溺れかけているのかもしれない。

絶対にロクでもないものがいると思うがな……そうか、さすがはサー・ピップ殿、人命優先というわけですな?ときにお前、泳げたのか?

魚のように泳ぎ進んでいく。あの泡の正体は何だろう?と思う間もなく、水の底から、スプーン型の頭、長い首、恐竜のような巨体が浮かびあがってきた!やったぞ!ネス湖の恐竜の仲間をついに発見したんだ!

喜んでる場合か!つうかネス湖の恐竜はデマだったんだろ?こいつはだいぶ小さいが、それでも生命点は30点、基準点6、被害点+5だぞ。
……バシャバシャッ!グサリ!バシン!
19点ダメージ。緒戦としてはこんなものか。

恐竜の死骸を岸まで引っ張っていって調べることにしよう。ピップは恐竜を解剖しようと、腰のE.J.を引き抜いた。
「おい、ちょっと待て!俺をそんなことに使うつもりか?」
恐竜解剖に使われると気づいて、E.J.は慌てふためいた。
「恐竜を倒すときは文句を言わなかったじゃないか?」
「そりゃそうさ、俺の仕事だからな。だけど死体解剖に使われるなんてのは、名刀としてのプライドが許さん」
「クモを斬るわけじゃないんだから、だまってろ」
ピップは嫌がるE.J.を無視して恐竜の腹を切り裂いた。
中から出てきたのは生前に飲み込んだ人間や馬の残骸ばかりだ。引っ掻き回しているうちに、ぼろきれにくるまった、丸い塊が見つかった。中には真鍮製の頭が入っていた。


さっそくこの俺をぞんざいに扱ってくださってどうもありがとう、サー・ピップ殿。覚えてろよ!

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村役場
2005-10-08 Sat 03:26
村の役場にやってきた。いまは閉鎖されて、『立入禁止』の札まで貼ってある。建物のまわりを調べてみるも、どこの扉も閉まっており、窓もすべて打ちつけてあった。ふと見上げると、二階にひとつだけ塞がれていない小窓がある。

何か手がかりがありそうじゃないか。ここは、登らない手はないぞ、ピップ。

3mほどよじ登ったところで、下から呼び止められた。
「おい、こらこら!そこで何をしとるか?」
振り返ると、村の巡査のグライムズだった。制服はボロボロだが、ヘルメットと警棒だけは原型をとどめている。
「やあ、こんにちは、お巡りさん!ぼく、冒険者ピップです。魔神の呪いから王国を救うべく、魔術師マーリンから依頼されて、手がかりを捜しているところです」
「わかったわかった、裁判長の前でそいつを言うこったな」
グライムズはピップを引きずりおろした。


ダメだな、これは。巡査にしょっぴかれていくぞ。だから泥棒じみた真似はやめろと言ったんだ。

ここはグラストンバリー刑務所だ。よほどの馬鹿か変人でなければここには来たがらないから、地図には番号がなかったわけだ。
グライムズ巡査はピップを狭い牢屋に放り込むと、扉をばたんと閉めた。
「おまえの裁判は来年の2月31日だ」
牢内に窓はなく、床も壁も石だ。ほかにはネズミが一匹いるだけ。


ここにじっとしていても、俺はいいがお前は飢え死にするだけだな。ネズミを食ったところで腹の足しにもなりそうにないしな。

「やあ、ネズミさん、こんにちは。ここでいったい何してるんだい?」ピップはネズミに挨拶した。(とうとうイカレちまったか!)
ネズミは黙ったままだ。
「ねえ、ネズミさん、ここからは出られないんでしょうねえ?」
「馬鹿言うんじゃねえ!」いきなりネズミが口を開いた。「ネズミってのはだな、穴から入ってくるもんさ。だから、気が向けばいつでも出て行くことができるんだ」
「ネズミ穴か……きみには通れるだろうけど、ぼくには小さすぎるよ」
「まあ、見てみなよ。そこの藁の下にあるから」


ネズミが喋って驚いたか?喋る剣があるんだから、ネズミが喋るくらい当たり前だろ?ところで、藁の下には組み立て式の抜け穴があったぞ。すでに魔法書から切り取られていたが、パーツはちゃんと後ろのほうに挟まっているな。小さいパーツをなくさないように組み立てろよ。
……
ようし、完成したな。ネズミに礼を言って穴を降りるんだ。

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沼地
2005-10-08 Sat 03:46
トンネルはどんどん地下へ降りていく……ん?いつのまにか、さびれた道にぽつんと立っているぞ。南東のかなたには霧に包まれた村が見える。北西に向かう道は沼地へとのび、その向こうには円い丘がある。

わけがわからんが、とにかく村の外に出たらしい。南東はグラストンバリーだろうから、北西に向かってみるか?

道はやがてぷっつりと途絶え、行く手には沼地が広がっている。ピップは慎重に足場を確かめて、ゆっくりと進んでいく。
「おい、ちょっと!頼むから、それだけはやめてくれないか?」E.J.が困りきった口調で言った。
「たかが足場を確かめるために、この俺を使うなってことさ。おかげでびしょ濡れ、泥まみれだ。風邪で死んじまうか、錆びちまうよ」
「口に鍵でもかけとけよ」ピップはきつく言って黙らせようとした。
「いまに後悔するぞ」E.J.は警告した。(いまに後悔するぞ)
岩山の麓から30mほどのぼったとき、沼に突っ込んだE.J.が抜けなくなった!それどころか、強い力で沼の中に吸い込まれて姿を消していった。(ゴボゴボゴボ……)
「おーい、E.J.……」ピップは呆然として、力なくE.J.を呼んだ。
突然、沼の中から悪夢のような怪物が姿を現した!ぬるぬるとした緑色の皮膚、体長は15m、鋭い牙をむき出して、蛇のように立ちはだかっている。大きな牙のあいだにはE.J.が挟まっている。
「ヒイイイ、クワアアアアアア!」


さあ、後悔してるか?お前は沼の主である大地虫を起こしちまったんだ。こいつの生命点は1000点、基準点は1、被害点は+50だ!もちろんお前の手には最高に頼れる魔剣がない。こいつをなんとかできたのは、アーサー王の父ペンドラゴンだけだ。彼の〈鏡の盾〉がないなら、ここはおとなしく14へ行くしかないってことだ。間抜けめ!自分の愚かさを思い知れ!

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14(13)
2005-10-08 Sat 14:00
どうやら、これまでだな、ピップ。完全に息の根を止められちまったんだ。だが、いつまでも死んでることはない。生命点を決めなおすんだ。そして、なにも1から出直すことはないぞ。どうしても最初から始めたいというのでない限り、殺された場所まで戻ってそこからやり直せばいいんだ。

ほほう!聞いたか、ピップ?第六巻からは、死んでもその場で復活できるようになったんだと!こいつは俺(と代理人)にとってもありがたい話だ。やり直しの手間が省けるからな。とはいえ、今回は沼地からやり直しても仕方ないがな。
それとだ!もうひとつ、重要なルール変更があるのに気づいているか?今回はどこにも(冒険の規則にも、14にも)「死んだら持ち物がなくなる」って記述がないんだ。死んだ場所からやり直せるんだから当然といえば当然なんだが、これは素晴らしく有利な改定だぞ。14も平和になったもんだ。

「そんなにわしのパジャマ姿が可笑しいか?」マーリンは苦みばしった顔で文句を言いながら、装備品のリストをピップの鼻先に突きつけた。
「さっさと装備品を選びなおして、冒険を続けるんじゃ!」
ピップが樽の外に出ると、背後でばたん!と扉が閉められた。


さてさて、グラストンバリー村をもう少し探索するとしようか。

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救貧院
2005-10-09 Sun 02:34
ここは村の救貧院だが、用がないので一度も来たことがなかった。ここも扉には閂がかけられ、窓は固く閉ざされている。玄関をノックするも返事がない。しかたなく、扉をバン!と蹴破った。すると――
「公共物破損ですぞ!この書類にご記入を!」厳しい声が響いた。
整然とした事務机の向こうに、ネルドが座っている。どこか見覚えがある。
「失礼ですが、以前どこかでお会いしませんでしたか?」ピップは訊いてみた。
「さあ。あなたが以前に〈魔界の地下迷宮〉においでになったかどうかによりますな。どこぞの英雄気取りの若者が私を失業させてくれましてね。でも、数字に強ければどこに行っても仕事の口があるものですよ。で、ご用件は?」


ああ、あのときのネルドだな。入り口を壊したことで始末書を書かされそうだぞ。そんな面倒なお役所仕事につきあうよりは、さっさとネルドを引っ叩いて情報をもらったほうがいいんじゃないか?今回はジンを呼ぶ鐘もなさそうだしな。(そういやチクチクする指輪ってどうなったんだろうな?)

「知ってることを吐け!さもないと、ぶん殴るぞ!」ネルドの胸倉を掴んで締め上げた。
ギャング映画のようなやり口だが、ネルドには通用しなかった。逆に膝頭を蹴り上げられて生命点を4点も奪われてしまった!
ピップはE.J.を抜いて反撃にかかる。
……
斬りつけられて追い詰められたネルドは、何やら呪文をつぶやいた。ピップはあっというまに飛ばされ……


ここは……丘に向かう道じゃないか。また大地虫に会いたいんじゃなけりゃ、村に戻るぞ。

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アクトンの農場
2005-10-09 Sun 17:40
ここは、ひねくれ者で底意地の悪いバーソロミュー・アクトン爺さんの農場だ。以前、グラストンバリーの市場で会ったことがある。そう、あの意地悪ジェイクの伯父だ。
「よいお日和ですね、アクトンさん」と陽気に声をかけた。
「おらの庭からとっとと失せろ!このガキゃあ、犬けしかけるど!」爺さんが口笛を鳴らすと、恐ろしくでかい番犬が納屋の陰から飛び出し、こっちへ突進してくる。ピップのすぐ目の前で唸り、不気味な赤い目を光らせている。


呪いのせいか本来の性格か知らないが、なかなか殺気立ってる爺さんだな。この程度の犬と爺さんごとき、俺の敵ではないが……

「アクトンさん、おだやかに話し合えませんか?ぼくはただ――」
そのとたん、犬が飛び掛ってきた!そして……前脚をピップの両肩にかけたかと思うと、顔をぺろぺろと舐めはじめたではないか!
「こりゃ、ぶったまげたわ!なんとまあ、ジョンとこの息子のピップじゃねえだか?」
「そうです、ピップですよ!」
「んだ、愛犬クラレンスがおめえのことを知っててよかったわ。あの呪いのことで来なすったんだべ?」
「んだべ……じゃない、そうなんです。なんとかつきとめようと……」


んだ……じゃない、情報を知ってそうだな、この爺さん。魔神の居場所を知ってるようだぞ。ふむ、グラストンバリーの岩山か。だがそこへ行くためにはペンドラゴンの〈鏡の盾〉が必要と。嘘は言ってないようだな。

「この名犬ルーファスを連れて、お城へ行ってみちゃどうだべ」
「ありがとうございます。必ず呪いの原因をつきとめます」
ピップが口笛を吹くと、ルーファス(クラレンスでも何でもよさそうだが)は尻尾を振りながら着いてくる。


この間抜けそうな番犬の生命点は25点、基準点は5、被害点+4だ。なかなか頼もしいが、生命点が5点以下になると動けなくなる。うまく使ってやれよ。

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修道院
2005-10-10 Mon 03:42
ここは修道僧の寮だな。いや、「だった」と言うべきか……ただの瓦礫の山と化している。隣にある修道院自体は何とか無事みたいだぞ。

たくましい剃髪僧が二人、修道院の入り口を守っている。ピップは明るく声をかけた。
「ハーイ、道士様、こんにちは。中に入りたいのですが、お許し願えるでしょうか!」
「ならぬ!」「ならぬ!」修道僧はそろって答え、睨みつけた。
「通してください。さもないと、この剣にものを言わせますよ」
E.J.を抜きながら警告すると、
「わかりきったことを言うな。俺は喋る剣だ」とE.J.がものを言った。(なんとウィットに富んだ受け答え!)
しかし、修道僧は自信ありげに笑って答えた。
「やれるものならやってみるがいい。もし我らを殺せば、全能の神が下す雷が必ずやお前の命を奪うだろう」


おいおい、マジか、これは?やめといたほうがいいんじゃないか?俺はうまいこと手加減なんてできないからな。……そうか、やるっていうんなら反対すまい。修道僧の生命点は20点、基準点5、格闘術に長けているので被害点+3だ。一人ずつ闘ってもいい。生命点を5以下にして無力化できればいいが……一人でも殺してしまうと、マジに雷に打たれて14行きだ!ルーファスをけしかけて高みの見物ってのも考えられるが、それで殺しても雷はお前を直撃するだろうな、普通。仕方ない、いっちょやるか。
……ズバッ!どうだ、この素晴らしい一撃は!……うわっ!俺を捨てた!?――なるほど、素手でダメージを調整しようってんだな。お前にしては上出来な戦術だ。
よしよし、二人とも首尾よく片付けたぞ。

すっかり従順になった僧たちは、ピップを修道院の控えの間に案内した。ほどなく、修道院長があわてて駆けつけてきた。
「ありがたい、よくきてくださった、ピップ殿。事態は絶望的でしてな」
「それほどぼくに会いたかったのなら、なぜすぐに通してくれなかったんですか?」ピップは少し不機嫌そうに言った。
「いや、あんたが本物かどうか確かめたかったので……。さて、本題に入らねば。わしなりに調べたところ、この呪いの源は、この世では見つけられんと思う。ひょっとすると宇宙の木、すなわち宇宙樹ではあるまいかと。わしの知る限りでは、邪悪な呪いはすべてあれが始まりでしてな」
「その宇宙樹にはどうやったら行けるんです?」
「わしの知る限り、入り口はただひとつ、グラストンバリーの岩山の頂だけなんじゃが、そこへ達するには沼の主である大地虫を倒さねばならんのじゃ」


もちろん、大地虫を倒すためには〈鏡の盾〉が必要で、そいつはキャメロット城にある。修道院長は城に入るための秘密の入り口を知ってるようだが……信じるか否か。

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秘密の抜け道
2005-10-11 Tue 00:02
修道院長に教わった道を辿ると、やがて小さな森に入り、小さな谷を縫い、荒れ野を越え、そしてついに……奥深い、暗い洞窟の入り口に辿りついた。×印の封がしてあるところなぞ、ちょっと臭うな。
洞窟内部は、いまはカビに覆われているが、煉瓦で舗装された四角い通路になっている。北へ10mほども歩いたところに看板のようなものが倒れていた。
「アーサー王専用、キャメロット城への秘密通路――関係者以外の立入りを禁ず」
そばには酒瓶の山……。


アーサー王がギネビア妃の目を盗んで村の酒場に出かけるための秘密の抜け道があるって噂だったが、これだったんだな。

通路はじめじめして生臭く、暗く寒く寂しく陰気で、とにかく最低の状態だった。
「以前、マーリンから教わった元気の出る歌を唄ってやるから、がんばって進めよ」
E.J.が珍しく優しい言葉をかけ、ピップを元気づける歌を口ずさんだ。(俺はいつだって優しいぞ!)

♪元気だホイ!元気だホイ!
 朝から晩まで元気だホーイホイ
 昼から夜まで元気だホーイホイ!
 夜から朝まで元気だホーイホイ……

「ホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ、ホオオオオオオオオオオオ!」
「なんだよ、せっかく歌ってやったのに、ホオオ~~~~~~~~オオ、ホオオオオオオオオオ!はないだろ」E.J.がむくれて言った。
「いいや、ホオオ~~~~~~~~オオ、ホオオオオオオオオオ!と言ったのはぼくじゃないよ」
「それじゃ、誰だって言うんだ?」(つうか何なんだ、この展開は……)
ピップは通路の先を指差した。少し先の暗闇に赤い光が二つまたたいている。そこからホオオオオオ!と唸り声が響いてきた。
「クモだあっ!」E.J.が悲鳴をあげた。
「クモが鳴くもんか!」(ごもっとも)


唸り声の主はピンクの光を発する巨大なモグラだ。マーリンの蔵書『奇怪動物図鑑』に載ってた"風船モグラ"だろうな。本来なら30cmくらいの大きさのはずだが、呪いのせいで巨大化したのかもな。ちょっと突付けばすぐ破裂するが、爆発に巻き込まれるかもしれん。こういうときこそ犬をけしかけてやれよ。

ルーファスが風船モグラに噛みついたとたん、モグラはバ~ンッ!と破裂した。ルーファスは爆風の影響も受けず、嬉しそうにモグラの残骸を振り回している。

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風船ニシキヘビ
2005-10-12 Wed 03:56
通路は東西に枝分かれしている。西へ進むと、やがて北へ曲がった。しばらく進むと、前方から何かがやってくる気配――と思うや、大蛇の頭が通路いっぱいに現れた。大蛇はピップに気づいたのかどうか、するすると進んでくる。

また巨大化生物だな。こいつはマーリンの『奇怪爬虫類辞典』で読んだことがある。"風船ニシキヘビ"だ。胴体はほとんど空洞のようだぞ。とにかくでかいな。

E.J.を抜いて身構えると、風船ニシキヘビはぴたりと止まり、あんぐりと巨大な口を開けた。ためらっていると、E.J.が囁いた。
「体の中を通り抜けろと言ってるようだぜ……」
「冗談じゃない!自殺行為じゃないか。それよりも風船モグラのように破裂させてしまおう」


おいおい、こんなデカぶつを破裂させるほうが自殺行為なんじゃないのか?せっかく俺がアドバイスしてやってるんだ、素直に聞いたほうが身のためだぞ。

大蛇の口に入ったとたん、口を閉ざされてしまった。体内は風船のようにがらんどうで何もない。ここを進んでいくしかないようだ。ふいに地面がピップの進行方向とは逆に動きはじめた。風船ニシキヘビがまた進みはじめたのだ。ピップも負けじと大股で体内の奥へ急ぐ。
ハアハア、フウフウ……あえぎながら駆けていく。ツルン!ふいに足が滑って転んでしまった。ぬかるみに気づかなかったのだ。ピップは悪態をつきながら手をついて立ち上がった。
「アチチチッ!」
手にこびりついた粘液で皮膚が溶けている!ここは大蛇の胃袋だったのだ!もはや引き返せぬ以上、全速力で胃袋を走り抜けねばならない!


おいおい、ひどいことになってるじゃないか。蛇の体内に入ればこうなることくらい予想できただろ?俺は胃液ごときでは溶けないから平気だがな。まあよく見ろよ。このニシキヘビ、胃の調子がそんなによくないみたいだぜ。ほとんど胃液が出てないぞ。これなら転ばずに向こうまで行けると思うがね。

胃袋から脱出したのもつかのま、今度はさらに長い腸の中を延々と歩かねばならない。精根尽きてへとへとになったころ、ついに終点が見えてきた。終点は……行き止まりだ。
「そんなあ!嘘だあ!」行き止まりの腸の壁の前にへたりこんでしまった。
だが諦めることはないぞ。壁は黒味をおびた粘土のようで、やわらかそうだ。ただし、たまらなく臭い。そう、つまり、この壁は……。
仕方ない、ピップは意を決すると、鼻をつまんでE.J.を引き抜いた。


なっ!何をするだァ――――ッ!ゆるさんッ!

「そんなことに使うのなら、舌を噛み切って死んでやる!」E.J.の気持ちはよくわかるが……
腸の壁にE.J.を突き刺し、ごりごりほじくっていくうちに、ニシキヘビの胴体が痙攣しはじめた。腸を刺激してしまったようだ。
「わわわ~~あ!」
痙攣は大地震のようなうねりとなり、壁がボタボタと崩れ落ちてピップの体を埋めていった。と同時に、ごおお~~~お!と大音響がして、ピップは濁流にのまれながら流されていった。
気がつくと、ピップはとぐろを巻いた巨大な糞の上に放りだされていた。はるか南に、遠ざかるニシキヘビの尻尾が見える。


なあピップ、本来なら即座に14送りにしてやりたいところだが、今回は痛み分けってことにしておいてやるよ。結果として、俺たちは風船ニシキヘビの体内くぐりという偉業を成し遂げたわけだしな。城に辿り着けば、体を洗う水場くらいあるだろう。先を急ごうぜ。

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キャメロット城中庭
2005-10-13 Thu 11:50
通路を北へ向かうと、やがて石組みの壁に行き当たった。石のひとつを足で思い切り押すと、ゴロンと石が抜け落ちて、ザブンと水音がした。空いた穴から首を出してみると、四角い井戸の底だった。井戸の壁に沿って石段が螺旋状にのびている。ぐるぐる登って井戸の縁からのぞいてみると……見覚えのあるキャメロット城の中庭だった。

ようやく城内に入れたが……人の気配はないし、当然ながらカビだらけだな。だがまあ、この井戸水は腐ってないようだぞ。さっそく念入りに洗え(まずは俺をだ!)。

051012_0520~01.jpg

記憶によれば、キャメロット城の内部は↑こんな感じだったはずだ。いまいる中庭には東西南北に扉がある。……南側の城門は固く閉ざされているな。どうやら"万能鍵"がないと開かないようだ。次は……うむ、奥に進む前に脇道を調べたくなるのが人情だよな。

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隠し地下室
2005-10-14 Fri 18:01
ここは城の馬小屋だ。腐った藁と馬糞があるだけで、馬は一頭も見当たらない。あちこち調べてみると、床に隠し扉があった。扉の下には石造りの急な階段。降りていくと、やがて廊下に出た。大股で八歩も歩けば奥にある青銅の扉に辿りつくであろう短い廊下だ。床にはカビが厚く積もっているが、よく見ると、無数の糸が張り巡らされている。どうやら引っ掛けると作動する罠らしい。

一歩進むごとにサイコロ二個振って、12が出たら罠が作動するようだ。往復すれば16歩だな。な~に、前回の冒険のラストで華々しく12を出したお前だ。自分を信じて進め。

無事に八歩、歩ききって大扉に辿りついた。
「押してみろよ。鍵はかかってないかもしれないぜ」E.J.が囁いた。
「馬鹿なこと言うんじゃ……」と言いかけたとき、扉はスーッと開いてしまった。
そこは3m四方の石造りの部屋で、床にはガラクタの山……。何かめぼしいものはないかと捜しまくる。さんざん物色した末に、とうとう掘り出し物を見つけた。昔の百科事典の下に半ば埋もれた『ペンドラゴン秘蔵』と札が貼ってある鉄の箱を発見したのだ!


おめでとう、ピップ!この中に鏡の盾が入っていると考えて間違いないだろう。だが残念でした!箱には頑丈な錠がかけられている。ここでも"万能鍵"が必要だ。また罠を踏まないようにして中庭に戻るんだ。……無駄足ご苦労さん!

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双頭の犬
2005-10-15 Sat 02:25
反対側の馬小屋の中も似たようなものだった。藁の中にも壁にも天井にも床にも、何もない。そのとき――
ウウウ……」薄暗い小屋の奥から不気味な唸り声が聞こえた。そこには……双頭の犬がいた!赤い目を見開き、牙をむき出して唸っているが、奥の壁に鎖でつながれているので助かった。
よく見ると、犬の後ろに木の箱がある。


う~む、こっちの箱も怪しいな。〈鏡の盾〉が入ってないとも限らない。鍵はかかってなさそうだが番犬がいるしな。いきなり噛み殺されることもあるまい。虎穴に入らずんば虎子を得ず、だぜ。

「止まれえ!」箱に一歩近づいたとたん、犬の一方の頭が喋った。
「おい、よせよ、スタンリー」もう一方の頭が制した。「箱の中身くらい見せてやれよ」
「何を言うんだ、チャールズ。これを守るのが俺たちの役目じゃないか」
「そんなこと言ったって、中にはろくなもの入ってないじゃないか」
「お前には仕事への義務感ってものがないのか?」
「それはないだろ、スタンリー」
「あのう、……ちょっと……」ピップはためらいながら割り込んだ。「箱の中をちらっと見るあいだ、ちょっと知らん顔をしててくれないかな?君たちを殺したくはないからね」
すると両方の頭がゲラゲラ笑い出した。
「殺すだって?この俺たちを?冗談にしてはきつすぎるぜ」チャールズが言った。
「俺たちは朝飯に龍を食ったんだぜ」スタンリーが付け加えた。
「スタンリー、俺たちじゃないだろ?食ったのはお前だけだ。俺には近寄らせもしなかったくせに」
「そんなことないさ!俺のモットーは山分けだからな」


今回はよく動物が喋るな。この下らない口喧嘩のすきに、こっそり箱を覗き込むこともできそうだが……。運試しってところだな。

「チャールズ、お前はメス犬と見れば、やたらとちょっかい出して――」
「俺はそんな真似してないぞ。スタンリー、お前こそ……」
双頭の犬が口論しているすきに、そっと箱に忍び寄って蓋を開けてみた。
箱の中には骸骨がいた。そう、生きた骸骨だ!指を口に押し当てて、「しーっ、静かに……」と囁いた。「ばか犬どもから隠れてるんだ」
「箱の中には何かないんですか?たとえば〈鏡の盾〉とか」
「残念だが、ないな……私が持っているのは『先手必勝お守り』だけだ。ま、欲しけりゃ持ってっていいぞ」


戦闘で最初の一撃だけ被害点に+5できるお守りだ。4回まで使える。ローマ時代の代物のようだぞ。悪くない見つけ物だったじゃないか。珍しい犬の漫才も観られたしな。骸骨に礼を言ったら、こっそり中庭に戻るぞ。

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拷問室
2005-10-16 Sun 17:43
うえっぷ……おえぇ……ひどい目に遭った。中庭北の衛兵室から円卓の会議室に入ったとたん、部屋がグルグル回転しはじめて……何とか衛兵室に戻っては来られたが……俺はどうも、あの手のは苦手だな。乗ったことはないが、たぶんジェットコースターとかダメだろうな、俺は。

反対側の扉の先は、地下へ降りる階段になっている。降りていくと――
なんだ?拷問室じゃないか!東の壁際に鍵のかかった「鋼鉄の処女」が置いてある。(このブログの読者に「鋼鉄の処女」の説明はいらんよな?)
「鋼鉄の処女」の前には、腕力のありそうな仮面の男が立っており、こちらに背を向けて不気味な笑い声をたてている。「鋼鉄の処女」の中からはうめき声が聞こえてくるぞ!いままさに誰かが拷問を受けているらしい。


言わなくてもわかってるさ。「鋼鉄の処女」の中身が穴だらけになって死んじまう前に助けてやるんだろ?異論はないぞ、別に。ただ、せっかくだから不意打ちをかけろよ。

拷問人はぴたりと笑いをやめてこっちを振り向いた。右手に鎖についた杖を持っている。
「きさま、誰だぁ?このボリス様を楽しませに来た若い冒険野郎か?それとも――ぎゃあ!」
最後の一声は、ピップに不意打ちをくらった大男の悲鳴だ。(ようし、よくやった!)


いまので生命点を7点(+お守りの分で5点)奪ったぞ。残りは25点、基準点は5、被害点は+5だ。なかなか手強いぞ。ここは番犬に働いてもらおうぜ。
……
ほほう、強いなルーファス!

「鋼鉄の処女」の蓋に打ち付けられた真鍮の額には、
『ハーイ!わたし、鋼鉄の処女、ルーシーよ』
「馬鹿なものを読んどらんで、早く余をここから出さんか」
うつろな声がなかなか響いてきた。だが、蓋はダイヤル錠でしっかり閉められている。1から9までの数字があり、そのうち二つを組み合わせればいいらしい。おや?錠の下に小さな走り書きがあるぞ。
『錠の開け方――異なった二つの数字を組み合わせた二桁の最大の数字に合わせよ』


はいはい、さっさと開けろ。

ルーシーの蓋が軋みながら開くと、中からカビまみれの黒い兜と鎧をつけた男が出てきた。
「ピップではないか!?わしじゃ、キャメロットの"円卓の騎士"の重鎮――」
「ランスロットですか?」
「ちがう!」
「パーシバル?」
「ちがう、ちがう!頭文字は"ペ"じゃ」
「ペ?ペ、ペ、ペ……ペヨンジュン?」
「ここはキャメロットだぞ!次の文字は"リ"じゃ!」
「ペリ、ペリ……ペリカン!」
「馬鹿者!次なる文字は"ノ"じゃ!!」
「ペリノ……ジョー・ペリノ?」
「『マイ・フレンド・メモリー』には出演しとらん!最後の文字は"ア"じゃ!!
「ああ、ペリノア王ですか」(うざい、いい加減にしろ)
ペリノアは舌打ちすると、むくれて押し黙った。
「いったい何をなさってたんです?」
ペリノアは目をそらし、ひとつ咳払いしてから照れくさそうに言った。
「ここにリウマチの治療を受けに来たんじゃ。医者に診てもらっておると、なんだか急に様子がおかしくなりおった。カビが降り積もってきたかと思うと……医者は拷問人に、看護婦は鋼鉄の処女に変身しおった」
ペリノアは肩をすくめた。
「そんなことより、ピップ。呪われたキャメロット城を救うには、アーサー王の父君……ええと……何と言ったか?」
「頭文字は"ペン"です」


もういい!

「そうじゃ、ペンドラゴンじゃ。さてピップよ、そのペンドラゴンの秘宝である〈鏡の盾〉を手に入れないことには、この呪いを解くことはできないんじゃ」
「どこにあるんです?」
「それが、しまったのはわしじゃが、どこへしまったのか忘れてしまった。それを見つけ出すのがおまえの使命じゃ。余はアーサー王を捜す」


結局、何の役にも立たないんだな、この爺さんは。

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