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エクスカリバーの帰還
2005-10-02 Sun 15:18
チーズの塊の奥の床に、取っ手のついた扉があった。ゆっくりと扉を持ち上げる……。
真下に、王座に座るブロッグワート王が見える!


ブロッグワートは、橋の上で会った男女と話し込んでいる。娘のダイナが、ブラッグワートとの仲直りと二人の結婚承認を迫っているようだ。男のほうがブラッグワートの息子ってことだろうな。……交渉は難航しているな。

「さあ、チャーリー、行きましょ!親同士が勝手なことをしているのだから、私たちだって勝手にさせてもらいましょ」そう言い残すと、二人は手をつないで宮殿を出て行ってしまった。
残されたブロッグワート王は、「あ~~~あ」と溜め息をついて、王座にもたれて大きく伸びをした。その拍子に、天井を見上げた王と視線がぶつかった。
ピップはエクスカリバーを誇らしげに見せびらかし、ひらりと飛び降りた。
「どうにか手に入れることができました」


ふふ、拍手は結構だぜ。俺たちは俺たちの任務を果たしただけだからな。王も、兄弟と仲直りするつもりらしいし、万事めでたしだな。さてと、アバロンへ帰るとするか。

「待ってくれ、ピップ。感謝のしるしとして、お前を速やかにアバロンへ送り届ける名馬を進呈しよう」
王はそう言うと、両手をパンパン!と叩いた。すると奥の扉から、ぞっとする姿の三つ目獣がパカパカ走って入ってきた。
「案じることはない。すぐに乗りこなせるであろう。とても性質のいい、可愛いやつだから」


こいつに乗ることになるとはな!確かに脚は速そうだが、こんなのに乗って帰ったら、それだけで大騒ぎだろうな。


アバロンの状況は思わしくなかった。キャメロット城は七千人もの反乱軍に包囲され、円卓に集ったアーサー王と騎士たちは万事休すと暗く沈んでいた。
「解決の道はないのだ……エクスカリバーが発見されない限り」王が言った。すると騎士たちはいっせいに、部屋の片隅に小さくなって座っている魔術師マーリンに咎めるような視線を向けた。マーリンは弱々しく咳払いして立ち上がり、すごすごと部屋から出て行った。
…………
反乱軍攻撃開始の朝、櫓の上の見張りの番兵たちは、遠くから聞こえてくる音のほうに目をこらした。
パッカパッカ……パッカパッカ……パッカパッカ……パッカパッカ
馬のいななきのような轟音が響き渡り、悪夢から抜け出たような怪物が走り去った。竜巻のような風が巻き起こったかと思うと、見張りの櫓がどどどうっと倒れこんだ。


わっはっは!こいつは気持ちいいな!思ったとおり大騒ぎになったぞ。しかもギャラリーは数千人といる。城の兵士たちもお前に気づいたようだ。

ピップは三つ目獣を城門の前につけると、偉大な剣を高々と掲げて大声で叫んだ。
エクスカリバーだ!
声は雷鳴のように響き渡り、円卓の会議室まで届いた。騎士たちはいっせいに目を上げ、ガタガタと音をたてて立ち上がった。
庭の片隅に寝そべっていた魔術師マーリンは、うっすらと目を開け、あご髭を撫でてにやりと笑うと、むっくりと起き上がった。



三つ目獣にまたがり、意気揚々とマーリンのサイコロ型の隠れ場に戻ってみると……隠れ家は大きな荷車に積み込まれていた。
おや?その周囲をぎくしゃく動き回るロボットのような影が……。近づいてみると、頭と胴は木箱、手足は木の枝、藁の髪の毛という姿で、ペンキで描かれた顔が心なしかピップに似ている気もする。
「おお、ピップではないか!えらい!すごいぞ!よくやったな」
いきなりサイコロの窓からマーリンが顔を出し、身を乗り出して拍手した。
「あれは何なのですか?」箱男のことを尋ねると、待っていたとばかりに自慢げに、
「人造人間じゃよ!やっと完成したのじゃ。お前をモデルにして創りあげたのでな、"ピップ・ジュニア"と名づけようかと思っておる。おーい!」
すると、ピップ・ジュニアがこっちを振り返り、丁寧にギクシャクとお辞儀した。
「いろいろと一段落ついたところで、また引っ越そうと思ってな……おおっ!三つ目獣ではないか!わしへの土産か?うれしいぞ、ピップ。おいP.J.、その三つ目獣を車につなぐんだ!」


相変わらず殺意の湧いてくる爺さんだな。兄弟(というより息子か?)ができたみたいだぞ、ピップ。おめでとう。しばらくすれば、また次の冒険にでなきゃならないみたいだな(やれやれ!)。

「ピップよ、新居に落ち着き次第連絡する。それまでお前のつまらぬ時代に戻っておれ。しかし住まいには相当うるさいほうだからな、少しばかり時間がかかるかもしれん」
マーリンはそう言い残すと、サイコロの窓から手を振り、「さらばじゃ!」と叫んで首を引っ込めた。
パッカパッカ……パッカパッカ……パッカパッカ……パッカパッカ……
ぽかんと見送るピップを残して、サイコロの馬車は土埃をあげながらみるみる遠ざかっていき、やがて地平のかなたへ消えていった。
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この記事のコメント
まずは魔獣王国の探索が無事に終えられたこと、おめでとうございます。

・・・てか、何か王国に乗り込んでからが、その、あっさりでしたね・・・
あの街?は。あれで結構面白いネタが詰まっていたんですが。
舌が真っ青になる胡椒プリンも食されなかったようで、少し残念かな(笑)。
んなモン食いたくないわい!と言われそうですが。

ところで魔法の水をつけるところ、すんなりわかりました?
私、結局あそこがよくわからなくて。
最期は総当たりで目的のパラグラフを発見しました。アウ
ワニガエルも都合10回近くはチャレンジしましたし --;)

さてお次はいよいよ『宇宙幻獣の呪い』ですね。
ボスが凝っておりますので、こちらもがんばってくださいまし。
2005-10-02 Sun 16:45 | URL | ドグダッド #-[ 内容変更] | top↑
「ドッグダッドさん、毎度コメントありがとうございます」
「確かに、奇岩城の探索はかなり最適コースを辿ったみやいやな。インチキ臭いでえ」
インチキじゃないぞ。胡椒プリンで悶絶するピップを見逃したのは痛恨だ。
「あと、魔法の水ですね。ピップさんはすぐに勘付いたようでしたが。こういうギミックが凝っているのもグレイル・クエストの魅力ですね(本を作る側は大変でしょうけど)」
次のエントリーにも書いたが、更新が遅れそうで申し訳ない。これからもよろしくお願いしたい。
2005-10-02 Sun 17:24 | URL | E.J.&右目&左目 #-[ 内容変更] | top↑
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