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風船ニシキヘビ
2005-10-12 Wed 03:56
通路は東西に枝分かれしている。西へ進むと、やがて北へ曲がった。しばらく進むと、前方から何かがやってくる気配――と思うや、大蛇の頭が通路いっぱいに現れた。大蛇はピップに気づいたのかどうか、するすると進んでくる。

また巨大化生物だな。こいつはマーリンの『奇怪爬虫類辞典』で読んだことがある。"風船ニシキヘビ"だ。胴体はほとんど空洞のようだぞ。とにかくでかいな。

E.J.を抜いて身構えると、風船ニシキヘビはぴたりと止まり、あんぐりと巨大な口を開けた。ためらっていると、E.J.が囁いた。
「体の中を通り抜けろと言ってるようだぜ……」
「冗談じゃない!自殺行為じゃないか。それよりも風船モグラのように破裂させてしまおう」


おいおい、こんなデカぶつを破裂させるほうが自殺行為なんじゃないのか?せっかく俺がアドバイスしてやってるんだ、素直に聞いたほうが身のためだぞ。

大蛇の口に入ったとたん、口を閉ざされてしまった。体内は風船のようにがらんどうで何もない。ここを進んでいくしかないようだ。ふいに地面がピップの進行方向とは逆に動きはじめた。風船ニシキヘビがまた進みはじめたのだ。ピップも負けじと大股で体内の奥へ急ぐ。
ハアハア、フウフウ……あえぎながら駆けていく。ツルン!ふいに足が滑って転んでしまった。ぬかるみに気づかなかったのだ。ピップは悪態をつきながら手をついて立ち上がった。
「アチチチッ!」
手にこびりついた粘液で皮膚が溶けている!ここは大蛇の胃袋だったのだ!もはや引き返せぬ以上、全速力で胃袋を走り抜けねばならない!


おいおい、ひどいことになってるじゃないか。蛇の体内に入ればこうなることくらい予想できただろ?俺は胃液ごときでは溶けないから平気だがな。まあよく見ろよ。このニシキヘビ、胃の調子がそんなによくないみたいだぜ。ほとんど胃液が出てないぞ。これなら転ばずに向こうまで行けると思うがね。

胃袋から脱出したのもつかのま、今度はさらに長い腸の中を延々と歩かねばならない。精根尽きてへとへとになったころ、ついに終点が見えてきた。終点は……行き止まりだ。
「そんなあ!嘘だあ!」行き止まりの腸の壁の前にへたりこんでしまった。
だが諦めることはないぞ。壁は黒味をおびた粘土のようで、やわらかそうだ。ただし、たまらなく臭い。そう、つまり、この壁は……。
仕方ない、ピップは意を決すると、鼻をつまんでE.J.を引き抜いた。


なっ!何をするだァ――――ッ!ゆるさんッ!

「そんなことに使うのなら、舌を噛み切って死んでやる!」E.J.の気持ちはよくわかるが……
腸の壁にE.J.を突き刺し、ごりごりほじくっていくうちに、ニシキヘビの胴体が痙攣しはじめた。腸を刺激してしまったようだ。
「わわわ~~あ!」
痙攣は大地震のようなうねりとなり、壁がボタボタと崩れ落ちてピップの体を埋めていった。と同時に、ごおお~~~お!と大音響がして、ピップは濁流にのまれながら流されていった。
気がつくと、ピップはとぐろを巻いた巨大な糞の上に放りだされていた。はるか南に、遠ざかるニシキヘビの尻尾が見える。


なあピップ、本来なら即座に14送りにしてやりたいところだが、今回は痛み分けってことにしておいてやるよ。結果として、俺たちは風船ニシキヘビの体内くぐりという偉業を成し遂げたわけだしな。城に辿り着けば、体を洗う水場くらいあるだろう。先を急ごうぜ。

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